写真展『メリーゴーラウンド』

Merry Go Round
メリーゴーラウンド
会期
2026年8月21日(金)〜9月1日(火)
休廊日
水・木曜日
開廊時間
13:00〜19:00
会場
galerie SPUR
〒561-0851 大阪府豊中市服部元町1-2-9
出展作家 / Artists
김민주 Kim Min Ju(キム・ミンジュ)
김시율 Kim See Youl(キム・シユル)
남재헌 Nam Jea Hun(ナム・ジェホン)
서혜인 Seo Hye In(ソ・ヘイン)
오하은 Oh Ha Eun(オ・ハウン)
허승범 Hur Seung Beom(ホ・スンボム)
展覧会概要
韓国の6名の作家によるグループ展「Merry Go Round(メリーゴーラウンド)」を開催します。
それぞれ異なる作品世界を持つ6名の作家が一つの空間に集まり、互いのイメージを交差させます。
展覧会タイトルの「メリーゴーラウンド」が、一つの軸を中心に異なる姿や動きが巡っていくように、 それぞれの作品も固有の速度とリズムを持ちながら並び、 作品同士の間に新たな関係や風景を生み出していきます。
記憶や自己認識、都市と移動、現実と虚構、物と想像。 それぞれ異なる場所から始まる作品世界を巡りながら、 ひとつの小さな遊園地を歩くようにお楽しみください。
関連展 / Related Exhibition
会期中、近隣のgallery 176では、 本展の出展作家であるキム・ミンジュ、キム・シユル、ソ・ヘインの3名による写真展 「ひとかけらの夏 한 조각의 여름」が同時開催されます。
gallery 176での3名展と、そこにナム・ジェホン、オ・ハウン、ホ・スンボムを加えた galerie SPURでの6名展「Merry Go Round」。 それぞれ異なる構成で紹介される作家たちの作品を、ぜひあわせてご覧ください。
キム・ミンジュ、キム・シユル、ソ・ヘイン写真展
「ひとかけらの夏 한 조각의 여름」
会期:2026年8月21日(金)〜9月1日(火)
時間:13:00〜19:00
会場:gallery 176
Artists

김민주 Kim Min Ju
キム・ミンジュ
Artist Profile
個人的な物語を基盤として、関係性と記憶の構造を探究している。 テキストと写真というメディアが結びつくことで生まれる新たな関係性に着目し、 近年は異なる二つの物語が交差する地点で浮かび上がる痕跡を捉えることを試みている。
《メモ / Memo》
日記を書くことをやめ、自身の中を流れる感情を「メモ」として記録することから始まった作品。 散らばっていく感情を記した黄色いメモ帳を視覚化し、 2020年当時の自身の目、脳、心を再記録する。

김시율 Kim See Youl
キム・シユル
Artist Profile
自身の居住地を中心に、周囲の風景を構成する要素に対して強い好奇心を持つ。 身の回りで発見した痕跡や風景を多層的な視点から観察し記録し、 自身や家族、周囲の人々に起きた出来事や時間を組み合わせながら一つの物語をつくり出している。
《内部循環路 / Naebu Expressway》
ソウル北部を循環する巨大な自動車専用道路「内部循環路」。 その道路の下を歩きながら、人々の暮らしや町の風景、 道路によって分かれる都市の内と外を記録する。

남재헌 Nam Jea Hun
ナム・ジェホン
Artist Profile
個人と社会の中で分離された個々の姿を「社会的な記号」として捉え、 韓国の若者たちを記録している。 思索と省察を通して自身の悩みや葛藤を探りながら、 「私」という存在をセルフポートレートによって表現する。
《Piece of memory》
急速に変化する社会の中で感じる疎外感や不安から、 自身がかつて見つめた場所へと赴き、その風景の中に自らの姿を置く。 カメラとの物理的な距離を通して自分自身と向き合い、 社会の中に存在する「私」の姿を探る。

서혜인 Seo Hye In
ソ・ヘイン
Artist Profile
現実を出発点としたユートピア的な想像力をもとに、 写真というメディアを通してコンセプチュアルな作品を制作している。 セルフポートレートを軸に私的な経験を社会的な文脈へと広げ、 不完全な現実の中に現れる信念や希望、愛の痕跡を写し出す。
《Tooth Fairy: A Letter Without Saying Goodbye》
幼少期に聞いた「抜けた乳歯を靴に入れておくと妖精がコインと交換してくれる」 という物語を起点に、信じること、願うこと、愛することをめぐる作品。 理想郷と現実との隔たりや、その中でもなお何かを信じようとする人間の姿を描く。

오하은 Oh Ha Eun
オ・ハウン
Artist Profile
メディアや文化によってつくられる視覚的経験をもとに、 イメージが形成され記憶される過程を探究している。 現実と虚構、個人の経験と集団の記憶が交差する地点から、 イメージと現実の関係を写真によって捉える。
《走って走って / Hashitte hashitte》
初めて日本を訪れた際、アニメーションを通して見慣れていた都市風景を 現実に目にしたことで生じた既視感から始まった作品。 日本のアニメーションに繰り返し登場するクリシェを韓国の現実の風景の中で再構成し、 現実と虚構が重なる地点を探る。

허승범 Hur Seung Beom
ホ・スンボム
Artist Profile
捨てられた物の中に動物の姿を見出すことを通して、 失われた童心と想像力を取り戻す可能性を探究している。 日常のオブジェに最小限の介入を加え、記憶の宿る場所で撮影することで、 成長の中で失われていったものを振り返る。
《Found Animals / 動物園脱出記》
娘が肉を焼くトングを見て「ワニ!」と言ったことをきっかけに始まったシリーズ。 役目を失った日用品から動物の姿を見つけ、 物そのものを壊さず最小限の手を加えて新たな姿を与える。 子どもの頃の想像力を単純に取り戻すのではなく、 成長とともに何を失ったのかを見つめ直す。
Introduction《メリーゴーラウンド》
回転木馬は一つの方向へと動いていくが、その上に置かれたものは、それぞれ異なる姿をしている。 馬や馬車、装飾や照明は、それぞれに異なる形を持ち、異なる高さと速度で動いていく。 それらは一つの物語を再現するものではない。 ただ同じ軸を中心に、繰り返し出会い、離れながら、一つの場面を形づくっている。
《メリーゴーラウンド》は、6人の作家がそれぞれに異なる作品世界を、一つの空間の中で交差させる展覧会である。 この展覧会における「回転」とは、同じ場所を繰り返し巡る動きというよりも、 一見すると互いに無関係に見えるイメージ同士が、新たな関係を生み出していくあり方に近い。 ある作品の中で私的な記憶として読み取られていた場面は、別の作品の隣に置かれることで幻想へと変わり、 都市の風景はアニメーションの背景のように見え、捨てられた物は動物の姿を得る。 現実に存在するものは見慣れないものとなり、現実には存在しないかのような場面が、 かえって親しみのある感覚を呼び起こす。
キム・ミンジュの《メモ》が感情と記憶の断片を視覚化するものであるならば、 ナム・ジェホンの作品は、その風景の中に自身の姿を挿入することで、 イメージの中における「私」の位置を浮かび上がらせる。 記録と自己認識は、それぞれ異なる作品から始まっているが、 展示空間の中では、隠されていた存在が再び姿を得ていく一つの流れへとつながっていく。
キム・シユルの《内部循環路》とオ・ハウンの《走って 走って》は、移動する感覚を共有している。 一方は都市を循環する道路を見つめ、もう一方はアニメーションにおけるクリシェを現実の場面へと引き戻す。 実在する都市とメディアによってつくられた都市、移動の記録と虚構の物語は、 展示空間の中で互いに重なり合い、ローラーコースターのように次々と場面を切り替えていく。
ホ・スンボムの《動物園脱出記》とソ・ヘインの《Tooth Fairy: A Letter Without Saying Goodbye》は、 物と信じることが現実の境界を越えていく瞬間を見せる。 役目を失った物は動物となり、叶わなかった願いは新たな信仰のかたちを生み出す。 幼い頃の想像と大人になってからの欲望は完全に切り離されることなく、 不完全な幻想の世界をともに形づくっている。
《メリーゴーラウンド》は、単に作品を集めた展覧会ではない。 異なる世界が一つの遊園地を形づくる風景だと言えるだろう。 それぞれの作品は一つのアトラクションのように、固有の速度とリズムで動きながら、 互いを説明するというよりも、それぞれの世界を少しずつ広げていく。 観客はその間を歩きながら、一つの物語を追うのではなく、 自らの動線の中で、この小さな遊園地を一つずつ見つけていくことになるだろう。
文:裵陳姬(ペ・ジニ、mug)
企画 / Exhibition Planning
gallery 176 / mug / gallery the C
Poster:서혜인 Seo Hye In / 오하은 Oh Ha Eun
Text:배진희 Bae Jin Hee
Exhibition Layout:김시율 Kim See Youl / 오하은 Oh Ha Eun
